「昨日は動いたのに、今日は何をやっても崩れる」
この手の“日替わり不調”は、利用者の腕前というより、生成AIが決定論(電卓みたいに常に同じ答え)ではなく確率的に出力を選ぶ仕組みで動いていることに起因するケースが多い。
さらに厄介なのは、「だめな日は粘っても戻らないのに、日を変えると普通に戻る」という挙動。これは、こちらの操作では完全にコントロールできない要因(サーバ負荷やサイレント更新など)が絡むと起きやすい。
先に結論:だめな日に“戻らない”のは、直せる故障じゃないから
不調時に同じ指示を繰り返しても回復しにくいのは、原因が「プロンプトのミス」ではなく、
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出力が揺れる前提(サンプリング)
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サービス側の状態変化(モデル更新・負荷)
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会話履歴が邪魔をする(コンテキストの目詰まり)
といった、ユーザー側だけでは完結しない種類の要因になりがちだからです。
まずやるべき対処(理屈より先に、復旧の確率を上げる)
「今日は壊れてる」日に、延々と同じスレッドで格闘しないほうがいい。元記事が提案している“仕切り直し”は、実務的に理にかなっています。
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チャットを完全に新しくする(新スレッド)
同じ会話の中で失敗を引きずることがあるので、条件は冒頭にまとめ直す。 -
制約を強く書く(肯定+否定の二段構え)
例:比率なら「16:9必須」「1:1禁止」など、無視しにくい形にする。 -
役割(ロール)を再定義してレールを敷く
Gemでも通常チャットでも、冒頭のロール指定で出力の軸が整うことがある。 -
時間を置く(日を改める)
冗談みたいですが、負荷や更新直後の不安定さは“待つ”のが効くことがある、という整理。 -
別ツールに切り替える
「今日はGeminiがだめ」という日がある前提で、代替手段を持つ。
なぜ“日替わり”になるのか:原因を4つに分けて考える
ここからが本題。「同じGem・同じ条件なのに結果が変わる」理由を、元記事の枠組みで整理すると理解しやすいです。
1) サンプリングの揺らぎ(Temperature的な話)
生成AIは、次に続く語を確率で選びます。同じ入力でも毎回“サイコロを振る”工程があるため、昨日はうまくいった道筋を、今日は外してしまうことがある。
ポイントは、これがバグというより仕様としての揺らぎだということ。だから「同じことをやれば同じ結果に戻る」と期待すると苦しくなります。
2) サイレント・アップデート(ユーザーに見えない変更)
プラットフォーム側で、通知なしに微調整が入ることがある。安全性の調整や推論効率の改善が目的でも、副作用として「指示を拒否しやすい」「言語の精度が落ちたように見える」瞬間が起き得る、という説明です。
“昨日までできていたのに”の典型要因として、ここはかなり大きい。
3) コンテキスト・ウィンドウの目詰まり(会話が長いほど起きやすい)
同じスレッドでやり取りを重ねると、過去の情報が重荷になって、新しい条件(例:「16:9で」)の優先度が下がることがある。元記事ではこれを「ロスト・イン・ザ・ミドル」として説明しています。
つまり「同じGem」でも、スレッドの状態が同じとは限らない。ここが見落とされやすいです。
4) 画像生成モデル側の特性(拡散モデルの繊細さ)
画像比率が崩れる、文字が壊れる、といった“画像系の不調”は、言語モデルとは別系統の仕組み(拡散モデル)で動くことが背景にある。プロンプト解釈のわずかな差で結果が大きく変わる、という整理。
「だめな日は何をやっても戻らない」現象の説明として一番しっくりくる仮説
上の4つを踏まえると、“戻らない日”はだいたい次のどれか(または複合)です。
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サービス側が不安定(負荷・更新直後)で、良い出力に乗りにくい
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長い会話の文脈が邪魔をして、条件が通らない
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確率的な揺らぎが悪い方向に連続している(同じ試行を続けても抜けにくい)
このタイプは“修理”というより、**環境を変える(新スレッド/時間を置く/別モデル)**が現実的、という結論になります。

