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異なるシステムを連携して有効活用!|PCA商魂・商館X&UNITE-POS連携事例

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2つの異なるシステムを連携し、問題点を解決する

小売業向けシステムの特徴

小売業は、製造業や卸売業とは違い不特定多数の個人を対象にしますので、顧客サービスを充実させるためのたシステムが必要となります。
POSシステムはその代表的なシステムです。
POSシステムと言うと、店頭のレジでバーコードを読んで売上を登録する仕組みを想像されると思いますが、本来は「Point Of Sales」の略称で、「販売時点即時処理」という意味になります。
つまり、店頭で販売処理することで、商品毎の売上集計、在庫の引き落としを即時に行う事ができるシステムを指します。
旧来のレジシステムは、数千、数万に及ぶ単品商品の管理ができず、商品の売上を分類単位で処理するに過ぎませんでした。
ソースマーキング(製造段階でメーカがパッケージに印字する統一規格のバーコード)の普及に伴いPOSシステムの導入が広がり、より高機能化する事で

・ポイントシステムによる顧客管理の実現
・自動釣銭機による現金化不足の防止
・カード決済端末との連携によるキャッシュレス対応
・コンビニエンスストアでの、公共料金や商品代金の支払・予約チケットの受け取り
・レストランでのオーダリングシステム

等、多彩な機能による顧客サービスの向上を実現しています。

複数のシステムを運用するリスク

今回の事例は、寝具の卸・小売業を営まれており、小売部門、卸売部門はそれぞれの業態に適した別のシステムを導入されていました。
それぞれのシステムは部門単位ではその業務に合っていて、運用上問題はありませんでしたが、会計部門では全社的な管理を行う為に
2つのシステムから出力されるデータの合計作業に大変苦労されていました。

・レジシステムでは単品管理ができず、商品分類単位の集計しかできない。
・全社データを集計する為に、小売のデータを分類別に卸売システムに毎日入力する必要がある。
・在庫管理は単品単位での管理が困難で、分類単位での大雑把な管理になっている。

といった問題を抱えて居られました。

どうすればリスクの少ない複数システムの構築が可能か?!

新システムの検討経緯

小売部門のPOSシステムの導入検討をきっかけに、卸売部門のシステムもリプレースする事になりましたが、小売業・卸売業の両方の業態をカバーできるシステムはほとんどありませんでした。
スクラッチによる独自開発も検討されましたが、莫大な費用が掛かる上、サポート面での不安もあり断念し、それぞれ異なるパッケージシステムを導入し連携する事で一つのシステムとして運用する方法を選択する事になりました。
選択した業務ソフトは…..
・小売部門 : ソリマチ技研 UNITE-POS(ハードウェアはNECプラットフォームズ製TWIN-POS)
・卸売部門 : PCA 商魂商管X
となりました。

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データの一元化を実現する

今回の最重要課題は、小売部門・卸売部門のデータを一元化する事です。
その為に店舗・顧客・商品といったマスタデータを統一し、一元化する必要がありました。
しかし、2つのパッケージシステムはそれぞれにマスタを保持・管理する仕組みをもっているので、どちらか一方のシステムでメンテナンスし、他方に連携する機能が必要となります。

今回は、仕入・在庫管理機能のあるPCA商魂商管Xをメインシステムとし、顧客・商品マスタを商魂XからUNITE-POSに連携、売上データはUNITE-POSから商魂Xに連携する方向に決定しました。
発注・仕入業務については、両方の部門が商管Xを使用する事で一元化を図ります。

連携システムの概要

マスタデータの連携

連携対象となる顧客マスタ、商品マスタはPCA商魂Xから出力しますが、標準機能で出力できるフォーマットではUNITEーPOS側は扱えません。
このため外部システムとして、マスタ出力プログラムを作成しました。
PCA製品には、Xシリーズから外部プログラムから商魂のデータベースをアクセスする為の「PCAクラウドAPI」というインターフェースが用意されましたので、この「PCAクラウドAPI」を利用して商魂Xの得意先マスタ・商品マスタをアクセスし、UNITE-POSフォーマットのCSVデータを生成する作成しました。

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顧客データは9万件、商品データも5万件を超えるデータ量から連携処理時間を考慮し、連携対象を差分のみに絞り込む機能を装備しました。

POS側の改造は、開発元のソリマチ技研殿に依頼し、一定間隔で連携フォルダを監視、データが存在した場合にデータインポートを実行する処理を追加して頂きました。

売上データの連携

売上データはマスタとは逆にUNITE-POSから商魂Xに連携します。
POSシステムは精算処理時に、一括して取引データを生成・サーバーコンピュータに転送する仕様でしたので、この取引データを流用する形で、商魂Xに売上伝票データとして取り込む処理を開発しました。
開発費用を低減する為、売上データのインポート自体は商魂Xの標準機能を使用し、外部処理ではUNITE-POSデータを商魂Xの標準フォーマットに変換する処理としました。

まとめ

事業形態が多様化すると1つのシステムで全体を管理する事が困難になる場合があります。
業務ソフトは業種業態に合わせて様々な機能が用意されていますので、自身の業態にマッチしたシステムを選択するのは有効です。
複数のシステムを運用するポイントは「いかに作業の二重化を防ぎ、データの一元化を図るか」にあります。
データの一元化を図る上で、重要な事は主となるシステムを明確にしておく事です。
複数のシステムを同等な位置づけにすると、一元化したい情報の入口が複数発生し、結局一元化に失敗する事があります。
今回、2つのシステムのデータ連携を行う上で、PCA商魂・商管Xを主システムとし、POS側のマスタ情報や売上情報を統合化する事で
データの一元化を図る事ができました。

結果、全社の売上情報や在庫情報も統合一元化できた事で、商魂Xから全社の販売・在庫情報が管理でき、狙いであった会計部門の事務負担
の軽減も達成する事ができました。

 

 

 

 

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