ERPパッケージとは?
これまで、カスタマイズによるパッケージソフトの活用例をご紹介してきましたが、今回はパッケージソフトそのものの活用についてご紹介します。
一般的にパッケージソフトとは「販売管理(売上/請求/売掛金管理」「仕入・在庫管理(仕入/支払/買掛金管理/在庫管理」、「財務会計」「給与計算」というように業務毎にソフトが作られています。
各パッケージベンダはこれらをシリーズ化して、各ソフト間の連携を可能にして提供しています。
(PCA:Xシリーズ、OBC:奉行シリーズ、応研:大臣シリーズ、弥生:弥生シリーズ….)
これらに対し、ERP(Enterprise Resource Planning)とは、統合管理システムを指します。
統合管理とは、企業の3大要素ヒト・モノ・カネを統合的に管理し、情報化するということらしいのですが…..具体的には一般的な業務パッケージとなにが異なるのでしょうか?
ERPパッケージと業務ソフトの違い
ERPパッケージは企業情報を統合していますので、ソフトそのものは単一システムで、各業務はモジュールという形で構成されます。
つまり、一般的な業務ソフトで、社員を登録する場合、販売管理システムでは「担当者」として登録しますが、財務会計では「補助科目」、給与計算では「社員」としてそれぞれのソフトに登録する必要があります。
当然、新規に社員を採用した場合は、両方のシステムにデータを登録する必要が発生します。
これに対しERPパッケージでは、従業員マスタに社員を登録すると、そのマスタは販売管理システムでは「担当者」として使用され、財務会計では「補助科目」として、給与計算では「社員」として使用さます。つまり、情報の登録は1箇所で完了する訳です。
このように業務システムの基本情報となる「組織情報」「取引先情報」「商品情報」等を一元化して管理されている点はERPパッケージの大きな特徴です。
PCA社(ピー・シー・エー株式会社)が提供するDreamの研究(概要)
私共がピー・シー・エー株式会社殿のアドオン開発パートナーである事もあり同社のパッケージの改造・アドオン事例は多いのですが、今回はPCA Dream21というERPパッケージそのものをご紹介をしたいと思います。
まずは、大きく3点の特徴をご紹介します。
Dream21の特徴① -業務統合-
ERPパッケージの大きな特徴は上述の通りですが、Dream21は情報統合をよりシームレスに実現する為に、販売モジュールで登録された売上伝票をリアルタイムに財務会計モジュールに連携します。
つまり、会計側では売掛金/売上高の仕訳伝票は起票する必要がありません。仕入についても仕入・在庫モジュール側で登録された仕入伝票がリアルタイムで財務会計モジュールに転送されます。
これらにより、システム間の整合性を担保し、二重処理を排除しています。
Dream21の特徴② -マスタデータ履歴管理機能-
ほとんどの業務パッケージの場合、システムの基本情報となるマスタデータは更新型です。
例えば、ある得意先の住所が変更になった場合、得意先マスタの住所を変更しますが、変更を登録したタイミングから新住所が表示され旧住所は上書きされてしまいます。
通常、住所変更等は事前に案内が届きますが、実際の住所変更登録を行う場合移転日を意識して処理を行う必要があります。
Dream21ではほとんどのマスタデータ履歴管理が可能です。
つまり、マスタの有効期間を「◯◯年◯月◯日~◯◯年◯月◯日」と設定できるわけです。
(Dream21 得意先情報の登録画面)
Dream21の特徴③ -統合データベース-
業務ソフトはそのデータ管理にデータベースシステムを使用しています。
一般的な業務ソフトの場合、データベースエンジンは一つでも、各業務システム毎にデータベースが分かれていますので、当然、エンジンに掛かる負荷は大きくなり、またバックアップ処理やメンテナンスもそれぞれに行う必要があり、効率的ではありません。
Dream21のデータベース構造は統合型であり、全ての取引データは一つのデータベースに蓄積されますので、情報の把握にかかる時間が短縮され、サーバメンテナンス、保守、バックアップ管理等ににかかる作業コストが減少します。